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私大連の役割と貢献

私大連の歩み

  • 私立大学を取り巻く環境が大きく変化する中、
  • 2001年以降の25年間で私大連が注力してきた
  • 7つの特徴的な取り組みを振り返る

Topic04

高等教育政策への意見発信と制度改善

私大連による国へのアプローチは多岐にわたるが、とりわけ入試改革や学生の定員管理については、強い問題意識の下で継続的に主張を展開してきた。2018年に東京23区内の大学における定員規制が法制化された際には、「学ぶ自由」を大きく制約するものとして反対運動を展開した。同年には近年の教育政策における課題を網羅的に整理した「高等教育政策に対する私大連の見解」をとりまとめて公表した。

私立大学の枠にとどまることなく、日本の高等教育全体の未来を見据えて実効性のある提言を国へ行う。この絶えざる問題提起こそが、私大連の重要な使命である。

政策に対する意見の公表

  • 2013年 教員・研究者の雇用に関する弾力的な運用を国に要望
  • 2017年 東京23区の大学定員規制に対する反対と見直しの働きかけ
  • 2018年 「高等教育政策に対する私大連の見解」を公表
  • 2020年 大学入学者選抜・大学入学共通テストの改善に関する意見を提出

主な成果

  • 2014年 改正労働契約法の特例措置が実現(研究者・教員は無期転換までの期間が5年から10年に延長)
  • 2018年 東京23区の定員規制で例外措置が実現(既存の定員増計画への配慮、留学生・社会人の対象化)
  • 2023年 東京23区の定員規制で理工農系分野の定員増の緩和が実現
私立大学振興協議会の会場で、私大連の副会長が国会議員に向けて説明している様子。
私立大学振興協議会で国会議員に私立大学の考えを説明する吉岡副会長(当時)(2017.3.28)

動き出した政策に現場の視点を
私立大学の実態に根ざした制度の改善

1.改正労働契約法の特例措置の実現

2013年、雇用の安定を目的に労働契約法が改正され、有期労働契約が通算5年を超えた場合に無期雇用へ転換できる仕組みが導入された。しかし、私立大学の教育研究は多くの兼務教員に支えられている他、有期プロジェクトも多く、一律の法運用は教育現場の実態にそぐわないものであった。これに先駆け私大連は、弁護士を交えた専門プロジェクトを編成。会員法人の雇用実態を徹底調査した上で対応策を検討し、教育研究の質を確保すべく教員や研究者を対象から外すなどの弾力的な運用を国に要望した。

この働きかけが実を結び、2014年には研究者・教員については無期転換申込権が発生するまでの期間を5年から10年に延長する特例が設けられるなど、実態に即した制度改善を実現へと導いた。

無期転換ルールの特例を示した図。一般の労働者は有期労働契約が通算5年を超えると無期転換の権利が生じるのに対し、大学等の研究者・教員は2014年に実現した特例で通算10年に延長された。

2.東京23区の大学定員規制に対する反対運動を展開

2018年、全国知事会等の要望を受けて、東京一極集中の是正を目的とした「地域大学振興・若者雇用促進法」が公布され、東京23区内における大学の新増設や学部新設、定員増が厳しく規制されることとなった。

これに対し私大連は、真の地方創生には「大学の規制」ではなく「雇用の創出」こそが不可欠であると早々に表明。地方大学への積極的な財政支援や、地方・大都市圏間の大学間交流による人的な好循環の創出を訴え、政府や与野党関係者へ精力的な働きかけを行った。その結果、かねてより定員増を計画していた大学への配慮や、留学生・社会人を対象とした例外措置を講ずることができた。

さらに、同法の見直しに際しても改めて反対運動を展開。規制効果を厳格に検証すべきであると主張し、「スクラップ・アンド・ビルド」の枠組みでは将来を見据えた大胆な大学改革は困難であると強く訴えた。こうした働きかけにより、2023年には、国策として対応すべきIT・デジタル人材の不足解消に向け、理工農系分野における定員増の緩和措置が実現した。

私大連の役員が地方創生担当大臣に意見書を手渡している様子。
梶山地方創生担当大臣(当時)に意見書を手交(2017.8.31)左から、三木常務理事、酒井常務理事、土屋常務理事、梶山地方創生担当大臣、鎌田会長、髙橋常務理事、大塚常務理事、曄道常務理事(いずれも当時)

3.『高等教育政策に対する私大連の見解』を発信

私立大学は自由な発想に基づく多様な教育研究を展開し、日本社会の発展に寄与してきた。その基盤は、私立学校法第1条が定める「自主性の尊重」と「公共性の向上」にあり、国による法的保障の下で固有の「特性」を発揮してきた。しかし近年、大学の特性や独自性を揺るがしかねない政策が相次いで提示されている。これに対し、私大連は会長をはじめとする役員らが結束し、「高等教育の無償化」「認証評価システム」「東京23区の大学定員規制」に関する見解を公表。記者会見を通じて広く社会へ発信し、一連の政策議論に一石を投じた。

記者会見の会場で私大連の役員4名が並んで着席し説明している様子。
記者会見で「高等教育政策に対する私大連の見解」を公表(2018.9.3)左から、田中常務理事、鎌田会長、長谷山副会長、廣瀬「地方大学の振興と地方創生に関するプロジェクト」委員(いずれも当時)

4.大学入学者選抜のあり方への意見

文部科学省の会議室で、委員が着席して意見を述べている様子。
文部科学省「大学入試のあり方に関する検討会議」において私大連の考え方を開陳(2020.2.13)中央、芝井同会議委員・私大連常務理事(当時)

「大学入学共通テスト」は、大多数の高校生が受験しており高校教育や学習のあり方に多大な影響を及ぼす。しかし、従来国立大学を中心に設計されてきた経緯から、私立大学にとっては活用しにくい側面があるため、私大連は実施時期の前倒しをはじめとする改善を継続的に求めてきた。例えば、これからの文理横断教育に不可欠な「情報」などの試験を私立大学が有効活用するには、共通テストと一般入試の間隔を十分に確保する必要がある。

質の高い共通テストを「基礎学力を測る試験」として位置づけ、各大学が一般入試で特色ある選抜を行うことこそが求められる。AI人材の育成・確保が国家の急務であるならば、高大接続の要である入試改革そのものを抜本的に見直すことを私大連は常に主張している。