本文へスキップ

私大連の役割と貢献

私大連の歩み

  • 私立大学を取り巻く環境が大きく変化する中、
  • 2001年以降の25年間で私大連が注力してきた
  • 7つの特徴的な取り組みを振り返る

Topic06

自律的なガバナンス体制の構築に向けて

私立大学は、1949年制定の「私立学校法」を根拠に、建学の精神に基づく「自主性」と「多様性」を担保してきた。同法は環境変化に応じてたびたび改正されてきたが、その都度、私大連は一貫して、公教育を担う私立大学が経営の健全性・透明性を高め、社会的説明責任を果たすための「自律的ガバナンス」の確立を目指し、議論を重ねてきた。

こうした背景から、私大連は2019年『私立大学ガバナンス・コード』を策定した。本コードは、一律のルール強制を避け、各大学が毎年度の遵守状況を自ら点検・公表する「コンプライ・オア・エクスプレイン(遵守、さもなければ説明)」原則を採用している。さらに、会員法人の主体的な情報公表を支援する手法やフォーマットの開発など、私立大学の自律的な経営努力を支える先進的な取り組みを現在も継続している。

主な活動

  • 2002年 「学校法人の経営困難回避策とクライシス・マネジメント」
  • 2003年 「学校法人の合併と経営破綻した大学の学生への支援策」
  • 2009年 「学校法人における内部統制の整備・充実」
  • 2010年 「学校法人経営の充実・強化に向けて」
  • 2013年 「事業報告書の意義とWEBの活用に関する提言」
  • 2014年 「直面する経営課題と大学法人経営の充実・強化-建学の理念、規模、地域等による違いを踏まえた取り組みのために-(審議まとめ)」
  • 2016年 「多様性あふれる私立大学の取り組み」
  • 2018年 「会員法人における収入の多様化に向けた取組事例集」
  • 2022年 「私立大学の情報公表―自律性、公共性、信頼性・透明性、継続性の観点から―」最終報告

主な成果

  • 2019年 「私立大学ガバナンス・コード」を策定(以後 第1.1版〈2023年〉・第2.0版〈2024年〉・第2.1版〈2025年〉に改訂)
  • 会員法人によるガバナンス・コード遵守状況の自主的な公表が定着
  • 2023年 私立学校法改正に全私学連合の主張が反映され成立・公布
私立学校法改正とガバナンス・コードの歩みを示した年表。2018年11月の総会でのコード草案提出、2019年6月の第1版策定・公表、2020年4月の改正私立学校法施行、2023年3月の第1.1版改訂、2024年3月の第2.0版改訂、2025年3月の第2.1版改訂と2025年4月の改正私立学校法施行までを時系列で並べている。

自律するガバナンスを
透明性と説明責任で社会の信頼に応える

1.長期的視点により学校法人経営を継続的に考察

会員法人を訪ねたプロジェクト委員が、学内関係者にヒアリングを行っている様子。
会員法人の学内関係者にグッド・プラクティスをヒアリングするプロジェクト委員

私大連は、18歳人口の減少に伴う経営環境の悪化や、私立大学の統合・撤退といった課題の深刻化を早期から予見し、積極的な提言を行ってきた。2002年には『学校法人の経営困難回避策とクライシス・マネジメント』、翌2003年には『学校法人の合併と経営破綻した大学の学生への支援策』を公表した。

さらに、2010年には『学校法人経営の充実・強化に向けて』を取りまとめ、会員法人へのアンケート調査を通じて、定員充足の要因や学生確保を阻むリスク要因を多角的に分析した。本報告書では、従来の「危機の回避」から「強みの伸長」へと議論の転換を図り、定員割れから経営再建を果たした8大学へのヒアリング調査を基に、具体的なグッド・プラクティスを提示して会員法人の経営改革をけん引した。

2.『私立大学ガバナンス・コード』の策定(2019年)

私大連の存在意義は会員法人の自主性の確保にあり、一律の規制を課すものではない。しかし、近年の環境変化と社会的要請に応えるべく、2019年に会員法人のメンバーシップによる『私立大学ガバナンス・コード』を策定した。本コードは各大学の自律的なガバナンス体制の構築を後押しすることを主眼としており、「コンプライ・オア・エクスプレイン(遵守、さもなければ説明)」の原則を導入することで、建学の精神に則った柔軟な改革を可能にしている。

策定後も専門委員会による継続的な見直しと改訂を重ねており、現在では会員法人に対して遵守状況の公表を義務付け、各法人がステークホルダーへの説明責任を果たし、私学経営の健全性と透明性を高める基盤となっている。

「私立大学ガバナンス・コード(私大連コード)早わかり動画」のYouTube再生画面。
「ガバナンス・コード」の解説動画をYouTubeで会員向けに公開YouTube動画はこちらから視聴可能

3.「私立大学の情報公表」を公表

私大連は、社会的な信頼性を高めるべく、会員法人による主体的な情報公表を推進してきた。2022年には「私立大学の情報公表」をとりまとめ、自律性、公共性、信頼性・透明性、継続性の4つの観点から、教育・研究・経営の状況を社会へ明瞭に発信する指針を示した。私大連のガバナンス・コードの遵守状況を自主的に公表する仕組みも、この方針の延長線上にある。

私立大学が公教育の一翼を担い、公的支援を受ける組織として社会の負託に応える以上、自らの活動を説明責任の下に開示していくことは、ガバナンスの根幹をなす不可欠な取り組みであり、私大連はこの取り組みを推進する。

4.私立学校法改正への対応と私大連の役割

2023年の私立学校法改正は、相次ぐ学校法人の不祥事防止と社会的な信頼回復を目指し、意思決定機関の役割・権限の明確化と「相互けん制」の強化による「実効性のあるガバナンス改革」を目的として行われた。

この過程において、私大連は法改正の趣旨を深く理解しつつも、私立学校が持つ独自の「公共性」と「独自性」が担保されるよう、社会の理解を得られる適切な「相互けん制」の構築を主張した。また私大連は田中会長(当時)の強いリーダーシップの下で文部科学省、国会議員、マスコミ等への全方位的なアプローチを展開。2022年3月には、幼稚園から大学までで構成する全私学連合共通の「ガバナンス改革に関する基本的考え方」を、私学のリーディング団体として中心的に取りまとめ、政府・与党へ提言した。

その結果、大規模な改革となった同法には全私学連合の主張が大方反映され、2023年に成立・公布された。

衆議院文部科学委員会の審議中継画面。委員会室の様子に、参考人として答弁する私大連会長の映像が重ねて表示されている。
衆議院「文部科学委員会」において、参考人質疑に出席する田中会長(当時)(2023.3.20)衆議院インターネット審議中継より引用