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私大連の役割と貢献

私大連の歩み

  • 私立大学を取り巻く環境が大きく変化する中、
  • 2001年以降の25年間で私大連が注力してきた
  • 7つの特徴的な取り組みを振り返る

Topic07

東日本大震災・コロナ禍等への危機対応

私大連は、国の最新動向や情報を随時加盟大学へ配信・共有し、その活動成果を還元する「ハブ」の役割を担っている。とりわけ災害時においては、学生の安全と学びの継続を最優先に掲げ、大学が孤立しないよう国への働きかけを重ねてきた。

具体的には、安否確認や学事日程の弾力化、被災学生・大学への財政支援に関する要望活動を迅速に展開。さらにコロナ禍という未曽有の事態においては、遠隔授業の導入、留学生の受け入れ・派遣に関する規制緩和や特例措置、困窮学生への継続支援などを国に強く求めた。同時に、社会変容に対応するための進展方策や規制緩和を「高等教育の政策パッケージ」として取りまとめ、広く社会に公表し理解を求めた。

災害の危機はいつ、どのような形で訪れるか分からない。私大連は、これまでの経験と教訓を糧に、災害対策のための備えを次代へと確実に引き継いでいく。

主な活動

  • 危機発生時に加盟大学の被害把握・安否確認と情報共有を実施
  • 被災した会員法人への直接支援(見舞金・会費の減免、義援金の一般募集、会長による被災校訪問)
  • 国への緊急要望と調査協力(採用内定取り消し回避の要望、県外避難受け入れ・電力需給に関する調査)
  • 被災した学生・大学への財政支援の要望
  • 「大規模自然災害に対する私立大学間の協力・連携のあり方について」を公表(2013年)
  • 私大連フォーラム「未来型防災教育」を開催(2024年)
  • 激甚災害法の本激補助率の引き上げ(2分の1→公立並みの3分の2)を要望

主な成果

  • 被災下での学事日程・授業時間の弾力的運用を実現(2011年)
  • 激甚災害法の改善:私立学校施設の復旧が局地激甚災害(局激)でも国庫補助(5分の2)の対象に(2018年)
  • 遠隔授業で修得できる単位数の上限(60単位)の特例措置(2020年)
  • 「学生支援緊急給付金」の創設、遠隔授業に関する規制の緩和を実現(2020年)
災害時の私大連の要望に対する主な成果を時系列に並べた図。2011年は授業日程・授業時間の弾力化で10週・15週の弾力運用、2018年は激甚災害法の改善で補助5分の2の対象化、2020年は遠隔授業の規制緩和で60単位の上限に特例、2020年は学生への緊急給付金で最大20万円を支給。

危機のとき大学をつなぐ連携のハブに
学生の安全と学びを守り抜く

1.東日本大震災への対応-学事日程の弾力化、被災学生への財政支援などを実現

2011年3月11日の東日本大震災は社会に甚大なダメージを与え、教育機関もかつてない被害を受けた。私大連は発災からわずか2週間後の3月24日、臨時常務理事会(第1回震災対策会議)を緊急招集し、迅速な対応協議へと乗り出した。まず、被災した加盟大学の状況をいち早く調査するとともに、地元紙「河北新報」への情報掲載を通じて学生の安否確認を強力に支援。さらに、大幅な学事日程の変更を余儀なくされた大学を救うため、授業日程や時間の弾力的な運用を文部科学省に要望し、これを認める特例通知の発出を実現させた。

また、大きな社会問題となった新卒者の採用内定取り消しに対しても、その回避を求めて経済団体や文科省、厚労省へ緊急要望を展開。その後も文科省と密に連携し、県外避難者の受け入れ体制の整備や、被害施設等に関する調査・情報提供を実施するなど、多方面から加盟大学の危機を支えた。

「在校生の皆さんへ 大学では皆さんの安否を確認しています」と呼びかけ、東北学院大学・石巻専修大学・宮城学院女子大学・仙台白百合女子大学と私大連の連絡先を並べた新聞広告。
「河北新報」2011.3.18掲載記事

2.東日本大震災への対応-私立大学間の相互支援

被災した大学を訪問した私大連会長が、大学関係者から話を聞いている様子。
右から1人目、私大連加盟の東北4校を訪問し被災した大学の声を聞く清家会長(当時)(2011.6.17)
「被災地域の皆さまへの救援と復興支援のために」と題した東北地方太平洋沖地震義援金の募集チラシ。
義援金を募集し日本赤十字社に寄付

私大連は、被災した東北地区の4法人に対し、見舞金を送るとともに複数年にわたる会費減免措置を講じ財政負担の軽減を図った。同時に、加盟大学等による相互支援の下で義援金を募集し、日本赤十字社へ寄附(65件・約614万円)を行った。震災直後には、会長自らが被災地の加盟大学を視察して現地の切実な声を汲み取り、国への政策要望へと反映させた。

被災校の取り組みや国・他機関の動向は、私大連のウェブサイトを通じて継続的に発信。さらに、日本私立大学団体連合会や日本私立短期大学協会と連携し、夏の電力需給問題に関する研究協議会や、被災地でのシンポジウム「被災地からの声」を開催した。これらを通じて危機管理の知見や復旧・復興における私学の役割を共有し、大規模災害に対して加盟大学が一丸となって危機に立ち向かう相互支援体制を実証した。

シンポジウム会場で登壇者が発表している様子。
東北学院大学でシンポジウムを開催(2011.8.2)

3.未曽有のコロナ禍で学生の学びの継続を実現

私大連は、コロナ禍において、学生が学びを断念することのないよう迅速かつ継続的な支援を求め、まず授業開始の遅れに伴う単位取得条件の緩和、各種調査・手続きの簡素化、医療体制への支援、さらには就職活動における情報収集機会の担保など、現場の課題をいち早く要望書として取りまとめ文部科学省や企業団体に提出した。

また、全国的な「緊急事態宣言」下においては、加盟大学の最大の関心事であった卒業式・入学式の開催方針や、授業開始時期の対応についてウェブサイト上で発信し、速やかな情報共有を図るとともに、同年6月には記者懇談会を開催し、経済的に困窮する学生への継続的支援や、急激な社会変容に対応するための規制緩和等を盛り込んだ「新型コロナウィルスに関する政策パッケージ」を公表した。

その後も、大学拠点接種の体制構築に向けた支援要望の他、外国人教職員や就学ビザの発行停止・再入国制限により渡航できなくなった留学生の早期入国許可を求め、役員が中心となって、外務省や法務省、主要国会議員等へ精力的な請願活動を展開、奔走した。

文部科学大臣室で、大学団体の代表者3名が文部科学大臣に要望書を手渡している様子。
萩生田文部科学大臣(当時)に学生の経済支援を緊急要望(2020.5.18)左から中田公大協常務理事、永田国大協会長、長谷山私大連会長、萩生田文部科学大臣(いずれも当時)

4.相互支援の枠組みを築き、防災の学びを次代へ

私大連フォーラム2024「未来型防災教育」の案内チラシ。プログラムと登壇者、YouTube配信の案内が載っている。
私大連フォーラム(2024.12.10)

私大連は、危機を一度限りの対応で終わらせてこなかった。東日本大震災の経験は、平時から地域の大学同士が対話し、連携をあらかじめ築いておく必要があることを示した。この教訓を踏まえ、2013年に「大規模自然災害に対する私立大学間の協力・連携のあり方について」を公表し、相互支援の枠組みを示すとともに、各大学に危機対応マニュアルの整備を促した。学び合いは今も続き、2024年には「未来型防災教育」をテーマに私大連フォーラムを開催し、防災教育の先進事例を共有した。こうした積み重ねは同年の能登半島地震への対応にも生かされており、私大連は次に訪れる災害に備え、大学と共に危機に強い体制を絶えず高めていく。