危機のとき大学をつなぐ連携のハブに
学生の安全と学びを守り抜く
1.東日本大震災への対応-学事日程の弾力化、被災学生への財政支援などを実現
2011年3月11日の東日本大震災は社会に甚大なダメージを与え、教育機関もかつてない被害を受けた。私大連は発災からわずか2週間後の3月24日、臨時常務理事会(第1回震災対策会議)を緊急招集し、迅速な対応協議へと乗り出した。まず、被災した加盟大学の状況をいち早く調査するとともに、地元紙「河北新報」への情報掲載を通じて学生の安否確認を強力に支援。さらに、大幅な学事日程の変更を余儀なくされた大学を救うため、授業日程や時間の弾力的な運用を文部科学省に要望し、これを認める特例通知の発出を実現させた。
また、大きな社会問題となった新卒者の採用内定取り消しに対しても、その回避を求めて経済団体や文科省、厚労省へ緊急要望を展開。その後も文科省と密に連携し、県外避難者の受け入れ体制の整備や、被害施設等に関する調査・情報提供を実施するなど、多方面から加盟大学の危機を支えた。
2.東日本大震災への対応-私立大学間の相互支援
私大連は、被災した東北地区の4法人に対し、見舞金を送るとともに複数年にわたる会費減免措置を講じ財政負担の軽減を図った。同時に、加盟大学等による相互支援の下で義援金を募集し、日本赤十字社へ寄附(65件・約614万円)を行った。震災直後には、会長自らが被災地の加盟大学を視察して現地の切実な声を汲み取り、国への政策要望へと反映させた。
被災校の取り組みや国・他機関の動向は、私大連のウェブサイトを通じて継続的に発信。さらに、日本私立大学団体連合会や日本私立短期大学協会と連携し、夏の電力需給問題に関する研究協議会や、被災地でのシンポジウム「被災地からの声」を開催した。これらを通じて危機管理の知見や復旧・復興における私学の役割を共有し、大規模災害に対して加盟大学が一丸となって危機に立ち向かう相互支援体制を実証した。
3.未曽有のコロナ禍で学生の学びの継続を実現
私大連は、コロナ禍において、学生が学びを断念することのないよう迅速かつ継続的な支援を求め、まず授業開始の遅れに伴う単位取得条件の緩和、各種調査・手続きの簡素化、医療体制への支援、さらには就職活動における情報収集機会の担保など、現場の課題をいち早く要望書として取りまとめ文部科学省や企業団体に提出した。
また、全国的な「緊急事態宣言」下においては、加盟大学の最大の関心事であった卒業式・入学式の開催方針や、授業開始時期の対応についてウェブサイト上で発信し、速やかな情報共有を図るとともに、同年6月には記者懇談会を開催し、経済的に困窮する学生への継続的支援や、急激な社会変容に対応するための規制緩和等を盛り込んだ「新型コロナウィルスに関する政策パッケージ」を公表した。
その後も、大学拠点接種の体制構築に向けた支援要望の他、外国人教職員や就学ビザの発行停止・再入国制限により渡航できなくなった留学生の早期入国許可を求め、役員が中心となって、外務省や法務省、主要国会議員等へ精力的な請願活動を展開、奔走した。
4.相互支援の枠組みを築き、防災の学びを次代へ
私大連は、危機を一度限りの対応で終わらせてこなかった。東日本大震災の経験は、平時から地域の大学同士が対話し、連携をあらかじめ築いておく必要があることを示した。この教訓を踏まえ、2013年に「大規模自然災害に対する私立大学間の協力・連携のあり方について」を公表し、相互支援の枠組みを示すとともに、各大学に危機対応マニュアルの整備を促した。学び合いは今も続き、2024年には「未来型防災教育」をテーマに私大連フォーラムを開催し、防災教育の先進事例を共有した。こうした積み重ねは同年の能登半島地震への対応にも生かされており、私大連は次に訪れる災害に備え、大学と共に危機に強い体制を絶えず高めていく。